後遺症?交通事故後の記憶力低下の原因と対策

交通事故後に記憶力が低下することも

交通事故で頭部に外傷を負った人の中には、脳の損傷によって大脳の機能に障害が生じる高次脳機能障害が起こるケースがあります。

高次脳障害の症状は、記憶力や注意力の低下、感情の起伏が激しくなり感情のコントロールができなくなるなど社会適応性が大きく欠如してしまうことが特徴です。高次脳機能障害の後遺症により仕事で指示を出されても以前のように手順を覚えられない、感情の起伏が激しく些細なことにもすぐに切れてしまい人付き合いが上手くできなくなってしまうなど人間関係でもトラブルを生じやすくなり、家庭や職場、学校などでも問題となっています。

また、高次脳障害は、他の病気とは違い一見普通に見えるので、周囲の人に理解してもらい難いことが難点です。本人の努力ではどうにもできない部分で周囲から誤解を受けたり、仕事や学校、日常生活にも支障を来してしまうことが最もつらいところでしょう。

もし、本人あるいは周囲に、交通事故後に感情の起伏が激しくなり、急に切れるなど感情をコントロールできなかったり、集中力や記憶力が著しく低下してしまうような症状が見られ、以前と比べると明らかに変わったと感じられたら、早い段階で適切な処置・対応を受ける必要があります。今回は、高次機能障害について、その原因や記憶力回復の方法についても以下に紹介します。

交通事故後に記憶力が低下する原因

私たちの脳は多彩な機能を持ち、中でも認知・記憶・思考・注意力などの脳の働きを「高次脳機能」といいます。ところが、交通事故による衝突で、激しく頭部を打ち、大きな衝撃が加わったケースでは、脳に大きな後遺症が残る(高次機能障害)が発症することがあります。

高次機能障害は、損傷を受けた脳の部位によって脳機能の一部が停止してしまうことが原因で記憶力や注意力、感情のコントロールなどの機能が低下してしまう障害です。主な症状としては、記憶障害や注意障害、行動障害のほかに、失語・失行・失認などの後遺障害が特徴です。高次脳機能障害が後遺障害として認められるためには以下の条件を満たしていることが必要です。

  • 初診の際、「頭部外傷」の診断を受けている。
  • 頭部外傷に重度な意識障害が6時間以上続いた、もしくは軽い意識障害が1週間以上継続していること。
  • 医師の診断書に高次機能障害・脳挫傷・びまん性軸索損症などの記載があること。または高次脳機能障害の典型的な症状が記載されており、神経心理学的検査により異常が明らかにされていること。
  • 頭部の画像や初診の際の脳外傷が確認され、3か月以内に脳質拡大や脳萎縮が確認されていること。

しかし、こういった異常がない場合でも、実際には脳が損傷を受け、社会適応性が欠落してしまうケースが多いのが現状です。このようなケースでは、後遺障害として認めてもらうため裁判で争うことになります。できれば自賠責で後遺症がとして認められることがベストですが、やむを得ず裁判になってしまった場合、充分な体制を整えておく必要があります。

交通事故後の記憶力を回復する対策

交通事故による記憶障害は、脳の側頭葉内側の損傷により引き起こされる症状です。記憶障害は、新たなことを覚えられない「前向性健忘」と過去のことを思い出せなくなる「逆行性健忘」の2つに分類されます。

仕事やプライベートでも、大切な予定や約束を忘れてしまい、守れなかったり、失くし物やケアレスミスも多く、同じ失敗を何度も繰り返してしまうと日常生活上でも様々な支障が生じ、一歩間違えると大きな問題にもなりかねません。ただ、現実的に記憶障害を完治することは難しいので、「これだけやれば絶対に忘れない」というほど念入りな物忘れ防止対策がおすすめです。具体的な方法を以下に紹介します。

忘れていることに気が付ける環境を作る

携帯電話のスケジュール表やスケジュール帳、カレンダーなどを上手く活用して、重要なことを気づきやすくする環境づくりが大切です。また、出かけるときは予め必要な持ち物全てを玄関に置いておくのもおすすめです。さらに、持っていく物を箇条書きにしてリストを作ると忘れ物の頻度もかなり下がりおすすめです。

決められた場所に保管する

大切な物をどこに置いたか分からなくなることがないよう、普段から整理整頓をして保管する場所も常に決めておきましょう。それでもうまくいかない場合は、リストを作り何がどこにあるのか記録しておくとよいでしょう。