中性脂肪が高いのにコレステロールが低いのはなぜ?

中性脂肪が高いのにコレステロールが低い原因とは?

脂質異常症は血液中のコレステロールや、中性脂肪が基準値を超えて異常に増加した症状のことを言います。2007年以前は高脂血症と呼ばれていました。

しかし、コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールがあり、HDLは血管壁に付着したLDLを除去する働きがあるため、HDLの数値は低い方が動脈硬化のリスクが高いと言うことになります。

高脂血症という病名のように単に脂質が高いことが身体にとって悪い状態とは言い切れません。そのため、低HDLコレステロール血症の症状も含め脂質異常症と呼ぶとこになりました。

この脂質異常症は異常値を示す脂質により、3つのパターンに分類されます。

  1. 高LDLコレステロール血症(悪玉コレステロール値が高い状態)
  2. 低HDLコレステロール血症(善玉コレステロール値が高い状態)
  3. 高トリグリセライド血症(中性脂肪値が高い状態)です。

それらの症状は1つだけが現れるわけではなく、1人の患者さんに対して複数の症状を持つことも分かっています。つまり中性脂肪が高いのにコレステロールが低い状態が起きるのです。

またコレステロールは肝臓でも合成されており、食事から摂るコレステロール量は1日約0.3~0.5gなのに対し、肝臓で合成されるコレステロールは約1~1.5gもあります。

食事でコレステロールを摂取しすぎると肝臓は合成を止め、体内のコレステロール値が一定になるように調節しています。そのため一概に食事にされ易い中性脂肪値が高いからと言ってコレステロール値が高くなるとは限らないのです。

中性脂肪が高いまま放置すると病気になる?

中性脂肪は生活習慣と密接に関係しています。飲み過ぎや田食べ過ぎ、高カロリーの食事や甘い物を摂取しすぎると中性脂肪値はぐっとあがります。

健康な人の中性脂肪(トリグリセリド)値は、50~149mg/dLですが、150mg/dL以上になると、高トリグリセライド血症と診断されます。

近年、血中の中性脂肪が増加するとHDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールが増加してしまうことがわかりました。つまり中性脂肪が高いまま放置しておくと結果的にLDLコレステロールが増加し、高LDLコレステロール血症と高トリグリセライド血症が併発して動脈硬化のリスクが高まるのです。

臨床の場でも中性脂肪の高い状態は大血管障害(太い血管の動脈硬化が起こり心筋梗塞や脳梗塞をもたらしてしまうこと)の危険性を高め、急性膵炎を引き起こしてしまうことがわかっています。

中性脂肪も下げるには

高トリグリセライド血症と診断されても最初医師に指導されるのは食事療法運動療法です。これを3ヶ月~半年程度つづけても値が改善しない場合は薬を使うことがあります。

例えばニセリトロール、ニコモール、トコフェロールニコン酸エステルなどのニコチン酸誘導体の薬剤は中性脂肪の分解を促す作用やHDL(善玉コレステロール)の値を上げる効果があります。

フィブラート系薬剤は肝臓内での中性脂肪生成を抑制し胆汁へのコレステロール排泄量を増加させて中性脂肪やコレステロールの値を下げる作用があります。

イコサペント酸エチル系薬剤はエパデールなどがあり中性脂肪値を下げたり、血小板を固まりにくする効能があります。

これらの薬剤は医師の判断の下に処方されるものであり、どうしても中性脂肪値が下がらない場合の手段となります。
食事や運動で改善できればそれに越したことはありません。

食事では糖質をとりすぎないようにする(余った糖質が中性脂肪として肝臓に蓄積されるのを防ぐ)、食物繊維を摂取する(食物繊維が中性脂肪を絡め取り小腸で吸収されにくくする。)、中性脂肪値を下げる効果のある食品を摂取する(DHA・EPAを含有する青魚(サバ、イワシ、マグロなど)を積極的に摂取するようにする。)と言う方法があります。

症状が重篤な場合はさらにシビアな食事制限が指導されますが、日常的に中性脂肪に気をつけたい、健康診断で再検査にならないようにしたいという程度であれば上記の方法であればどれも日常生活の中で取り入れやすい物ばかりです。

DHAやEPAは1日当たりの摂取目安量が1000mgとなっており、毎日続けることが難しい場合はサプリメントを活用するのも良いでしょう。